福音書の中で、イエス・キリストが麦粉の中にパン種を入れる女がいるということを予告されました。「天の王国はパン種のようです。女がそれを取って大升三ばいの麦粉の中に隠したところ,やがて塊全体が発酵しました」。(マタイ13:33)



イエスは麦粉に女がパン種を入れパンが発酵するたとえ話をされました



 

   このイエスの言葉は、「麦粉」、つまり小麦のようなクリスチャンたちに、「パン種」、つまり「邪悪」のために、「発酵」つまり、腐敗する危険を警告しています。そして、そのような働きをする「女」つまり、宗教グループがいることをイエス・キリストは明らかにしておられます。

 

(1)麦粉とは何を意味するか

 

 今回、このイエスのたとえ話を検討してみます。聖書は、忠実なクリスチャンを小麦に例えたことがありました。イエス・キリストは、神の王国に関連して小麦と雑草のたとえ話をされたことがありました。(マタイ13:25)その中で、小麦は「立派な種」で、成長してイエスの「倉」の中に入れられることになっています。(マタイ13:23,24,30)これは、神の王国に入ることを意味していると思います。それで、「小麦」は神の王国の希望を与えられているクリスチャンです。


小麦は神の王国に入る希望を与えられた忠実なクリスチャン

麦粉にパン種を入れられる危険がある



 

 また、パウロが忠実なクリスチャンに対して、、「あなた方は酵母を持たない者」であると言って、パン種を入れないパンのようになることを勧めました。ですから、ここでもパウロは、小麦粉のパンを忠実なクリスチャンに例えました。(コリント第一5:6,7)それで、神に忠実なクリスチャンはパン種を避けなければなりません。



 

(2)女とは何を意味するか

 

 イエスのたとえ話の中のパン種を隠す女とは誰の事でしょうか。聖書の中で、比ゆ的な「女」はある程度神に信仰を持つ国家、もしくは、宗教グループを意味しています。エゼキエル書の中で、オホラとオホリバという二人の姉妹は、サマリアとエルサレム、つまり、北のイスラエル十部族王国と、南のユダ二部族王国を表わしていました。(エゼキエル23:4)

 



麦粉にパン種を隠す女とは誰ですか

 

エゼキエル書で二人の女は神に少しの信仰を抱く二つの国家
女とは神への信仰を自称する組織




 

 また、キリストに従う会衆が、キリストの妻である女に例えられています。(エフェソス5:23,24)啓示の書の中でも、神に忠実なクリスチャンたちが「子羊の妻である花嫁」に例えられています。(啓示21:9)つまり、女です。また、神に不忠実なグループもやはり女です。南の王の国が「大娼婦」、つまり、女に例えられています。(啓示17:1)

 

 

 また、ゼカリヤ書には、「邪悪」という名の「女」が登場します。(ゼカリヤ5:7,8)この女は「全地」で活動しているようです。(ゼカリヤ5:6)ですから、世界的に悪い事を促進する比ゆ的な「女」が存在しています。

 

  

  結局、最後には神に見捨てられてしまったオホラとオホリバも、神への信仰を持っていたのです。ですから、女は少なからず神とキリストに信仰を持っています。それで、麦粉の中にパン種を入れた女にしても、神に少しの信仰を持っているでしょう。