啓示13章-南北の二度目の紛争後強くなる欧米に対する崇拝とキリスト教の進展
聖書は北と南の王が国際紛争を繰り返すことを予告しています。一度目は、北の王の同盟軍の勝利となりますが、二度目は南の王米国とその同盟国の勝利となります。社会情勢がそのようになった時に、形勢はどのようになっていくと考えられるでしょうか。
まず、二度目の米国の側の勝利によって欧米に対する崇敬の念が強くなるでしょう。また、北の王は、キリスト教に改宗するようです。さらに、北の王は、国際組織を設立することが予告されています。その際に、加盟国に徴兵制を強制するのかもしれません。
(1)第一の野獣を崇拝させようとする圧力が強くなるでしょう
啓示13章によると、頭の一つの「致命的な打ち傷」はいえます。一度目に米国とその同盟国は、北の王によって大敗北を喫してしまい、致命的な打ち傷を負うことになります。しかし、二度目に南が北との国際紛争で勝利を収めた時には、米国を中心とした欧米諸国が称揚されることになるでしょう。(ダニエル11:29,30)
「全地は・・・その野獣に従」います。そして「だれがこの野獣に等しいだろうか。いったいだれがこれと戦いうるだろうか」と言って野獣を崇拝」します。(啓示13:3,4)ですから、頭の一つに対する崇拝が強くなります。
ダニエル書の預言によると、イタリア、ギリシャなど地中海沿岸の諸国家の海軍が、南の王の側に立ち、それが北の王の敗因となるようです。(ダニエル11:30)そのようにして、南の王とその同盟国は、一度目の敗北による致命的に見える打撃から十分回復したことを示します。
Frigate Psara (F454) sailing down the Firth of Clyde at the start of Neptune Warrior multinational training exercise.
そのようになった場合、どのように社会情勢が進展していくと考えられるでしょうか。その時、米国を中心とした欧米を称揚する人々の声は、大きくなるでしょう。「全地は感服」すると予告されています。(啓示13:3)いわゆるキリスト教陣営がイスラム教陣営に勝利を収めたという形になるのではないかと思います。
The Roman Empire in 117 AD, at its greatest extent at the time of Trajan's death (its vassals in pink)
(2)敗北した北の国に背教したキリスト教政権の北の王が登場するでしょう
北の王は敗北に直面して、まずキリスト教をとても悪く言います。「聖なる契約」すなわちアブラハム契約を「ひぼうする」、つまり非難することが預言されています。(ダニエル11:30)イスラム教は、旧約聖書だけを認めていて、イスラエル人の父祖アブラハムにある程度敬意を持っています。
「聖なる契約」とは、神が「アブラハムに誓われたその誓い」だと聖書は述べています。(ルカ1:72,73)エホバ神は、アブラハムの子孫を増やすことや子孫を用いて地のすべての民を祝福するという誓いをされました。(創世記26:4)
しかし、イスラム教国の北の王の敗北は、アブラハムの子孫に領土を与えるという神の約束に対する信仰を打ち砕くことになり、旧約聖書を非難せざるを得ないでしょう。北の王は、イスラム教を意に介さなくなり、宗教一般を下に見るようになり、ますます世俗的になると考えられます。(ダニエル11:36,37)
しかしながら、欧米の勝利は、イスラム教の北の王がキリスト教に改宗することを促すでしょう。ダニエル書は、北の王が「聖なる契約を離れる者たちに考慮を払う」ことを預言しています。(ダニエル11:30)北の王は背教したキリスト教に注意を向けることになるようです。(ダニエル11:32)そうすると、北の王の国の中で、キリスト教の政権が権力を握る結果になる可能性が高くなります。(ダニエル11:31)
エホバは「アブラハムの胤」つまり、キリストに属するクリスチャン、すなわち神の王国に入るという希望を与えられたクリスチャンを用いて、地の諸国民を祝福するという約束をされています。(ガラテア3:29)
しかし、イスラム教では、この約束を神の王国に入る希望を持つクリスチャンに当てはまるとは解釈していません。文字通りのアブラハムの子孫に当てはめています。しかし、いずれにせよ、多くの人々は北の王に背教させられて、聖書的に根拠のあるアブラハム契約も、イスラム教も、真のキリスト教も捨て去ることになるでしょう。ー
(3)北の王は野獣の像の設立を提唱しクリスチャンたちに武器をとって戦う背教を勧めます
さらに、ダニエル書は北の王が国際組織を設立することを予告しています。(ダニエル11:31)さらに、啓示13章の後半には、その北の王、「子羊のような二本の角」のある「別の野獣」が野獣の像を作るように提唱することになっています。(啓示13:11)
聖書は子羊のような二本の角のある野獣つまりキリスト教に見える政権が野獣の像を提唱することを予告しています
「子羊のような二本の角」があるということは、野獣の像を作るように提唱する政治国家が、キリスト教であることを示しています。(ヨハネ1:29)北の王が表面的にキリスト教であることは、北の王の提案は、もともとキリスト教である諸国家に受け入れやすいものとなるでしょう。
子羊のような二本の角を持つ野獣が野獣の像を作るように地に住む者たちに勧めます
啓示の書には「野獣の像をどうしても崇拝しない者たちをみな殺させるようにする」とあり、その野獣の像に対する崇拝が強制されることが予告されています。(啓示13:15)北の王は、おそらく、キリスト教国の指導者に剣つまり武器をとって戦うことが神に是認されると説得するのでしょう。
預言された北の王は背教したキリスト教に注意を向け諸国家を背教させるようです
もしかすると、「荒廃をもたらす嫌悪すべきもの」に属する人々は、みな剣をとって戦うことが求められることになるのかもしれません。つまり、その組織に属する諸国家の国民にすべて徴兵制が課されることになるのかもしれません。野獣に対する崇拝を行なう者たちは、「ほふられた子羊の命の巻き物には,彼らのうちのだれの名も,・・・書かれていない」と述べられています。(啓示13:8)
北の王は国際組織を提唱し加盟国に徴兵制を義務づけるのかもしれません |
おそらく、すべての人に剣をとって戦う事、つまり、野獣に対する崇拝をすることが求められますが、そのようにする人は、キリストの贖いの犠牲を適用していただけません。つまり、永遠の命を神からいただくことができません。
ただ、上なる権威に対してのみ、聖書は悪をならわしにする者に対して、剣を用いることを認めています。しかし、聖書に従うクリスチャンは、断固として殺人を避けなければなりません。殺人をする人は、神から永遠の命をいただくことができないからです。(啓示21:8)
聖書は明確に殺人を禁じています
×
×
殺人者は永遠の命を神から与えられません
それで、北の王が設立する国際組織が、すべての人に殺人を強制するのであれば、諸国家がその国際組織に加盟することは勧められないということになります。